漢方内科
体質・気質をもとにして、その方の LIFE(いのち、生活、人生)の流れを見極め、自然治癒力が病苦に対してどう治ろうと働いているのかを見て、どう漢方薬の助けをしたらよいかと考えます。
例えばこんな中年女性が来られた。胆石の手術を繰り返されており、時々吐き気が起こるとガスターを出され飲むとよくなるが毎回こんなことを続けていたくないと考え見てほしいと受診してこられた。「胆石をなぜ繰り返しているのかご存知ですか」と問うと、油の摂りすぎと答えられた。きっと、お医者さんにもそう言われていたのだろうし、そこで話を留めていて、なぜ油を摂って自分のLIFEで胆石にならなければならなかったのか、油をいくらとっても病気にならない人も多いのに自分はなぜなのかと考えたことが無かったことに思いを留めてほしいと私いう。そして食物が入ってきたときにいのちの働きがどう働こうと胆汁をだすのか自分のからだでイメージしてもらえるようにみちびく。女性に脂肪へのイメージを訊くと「何か気になり、ひっかかる存在」という。すると「胆汁さんはどう思うかな、そう、引っかかって流せなくなる」と私。それに気づいた本人は「流せない、いつも何かひっかかる」といい、テレビニュースをみても気になっていつもぶつぶつ言わないと気が済まないため孫に「おばあちゃん、また言ってる」と言われてしまうと。そこで「確かに脂肪の摂りすぎはきっかけかもしれない。しかし胆石として病気に結実するには何かが働く。その何かひっかかる気が生じる、それが原因」という。
以前高校生の患者がおられた。素直な人で、私の話を聴いただけでよくなってしまった。女性にはいらだち吐き気で、自らに気づくようにとは心が動いていないため助ける力が必要と感じ、いのちの流れをよくする漢方薬を処方したのでした。